静かな夜。
カーテンを開けた隙間から庭を眺めると、雪が黙って降っている。
雪って、雨と違って音もしないから、ふと窓の外に目をやってビックリする・・・ということが多々ある。
周囲の音は、雪に吸い込まれて消されていくようにすら感じられる。
庭の木々の枝に、その1本1本に、デコレートされた雪は、幻想的で美しい。
窓におでこをくっつけて外を眺め、音のない世界とただ向き合っているのも好きだ。
今夜は、おでん。
昨日のうちに仕込んでおいた。
大根は、庭の一角、雪に埋もれた畑から掘り起こしてきたものだ。
仕事から帰って玄関を開けると、先に帰っていた夫が、「めるっち、ごめん・・・」と。
ピン!ときて、「おでん、吹きこぼしちゃった?」と聞くと、黙って逃げていった。
図星だったようだ・・・。でもね、怒ってないよ。ワタシが帰ってきたらすぐに食べられるように、温めておこうって思ったんだよね。
さ、ほくほく温まろう。